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短い読み物



「ッ… いつまでも… わたしを利用できると… 思わないことね…」
白のライダースジャケットとミニスカート、膝下までのブーツを身に着けた女が苦渋の表情を浮かべる。
「まだそのようなへらず口を…  これで何度目だ、また自我を取り戻しているではないか。  もとより、敵であるこの女を部下にすることなど…」
「クックッ… ご心配には及びません。 サディースト殿下」
白衣のようなマントを纏う小柄な影が、まるで臣下の礼をとるかのように片膝をつき、漆黒の鎧を纏う騎士の足元に視線を落としている女の顎に指をかけ、羞恥と怒りがにじむ顔を覗き込んだ。
「なかなか意志の強い人間でしたが…  クゥックックッ… 殿下、いましばらくのご猶予を」
マゾーン帝国科学者ラテックは紅い眼を細めて不気味に笑うと、数人の部下に運ばせてきた装置に向かう。
「オイ! お前たち、サイバーブルーを装置に繋ぐのじゃ!」
『『ルゥッ!』』
全身がぬめぬめした黒い光沢を帯びているマゾーン帝国戦闘員スレイバーがラテックの命令に敬礼の姿勢で応えると、サディーストの前で跪いたまま動こうとしないサイバーブルー蒼野瑠海(あおのるみ)の腕を掴み、ラテックが調整している装置のところまで連れて行くと、彼女が身に着けている衣服を脱がせた。
「や、やめなさい…」
口だけで抵抗する瑠海の体はスレイバーたちと同じ黒の袖のないレオタードで覆われていた。
「クックッ… どれ、新しいスレイブスーツに着替えさせてやろうかの」
瑠海が装置の中央にある椅子に座らされるとレオタード部を覆い尽くすカバーが取り付けられ、そこに装置から伸びるチューブが繋がれる。
「何回繰り返してもムダよ、わたしはお前たちの…」
頭に黒いフルフェイスタイプのヘルメットを被された瑠海の言葉が遮られる。
「クゥックックッ… 今回は5マゾボンデージで調整じゃ」
ラテックが装置を調整しボタンを押すとゴキュゴキュと不気味な音が響き、装置と瑠海の体を繋いでいるチューブが小刻みに振動する。
そしてヘルメットの黒いバイザーにマゾーン帝国の紋様が明滅し、内部は黒いガスと怪しい音で満たされた。
「クゥックッ… スレイバーどものスーツの5倍のマゾボンデージじゃ。 洗脳レベルが格段に上がるじゃろう」
レオタードが取り除かれると黒い粘液が体を覆っているカバーに送り込まれ、瑠海の体に先ほどまでの物よりもピタリと密着する黒いレオタードが新たに形成された。
異臭を放つガスと音、そして体をきつく締めつける不快感と恐怖で瑠海の頭が左右に振れる。
「抵抗してもムダじゃわい。 すぐに植え付けた帝国への忠誠心が呼び覚まされる。 クックックッ…」
その言葉どおり瑠海の動きは次第に鈍くなり、力も抜けて装置に身をゆだねていた。
「クゥックックッ… サイバーブルー、ワシの声が聞こえるか」
ラテックの質問に応える瑠海の頭が小さく前後する。
その仕草に紅い目を細めたラテックも小さく頷き、装置の両脇に控えるスレイバーに瑠海に被せたヘルメットとカバーを取り除かせた。
「クゥックッ… サイバーブルー、お前はラバーラ陛下にすべてを捧げるマゾーンの兵、そうじゃな」
「…ルゥ…  私はラバーラ陛下に忠誠を誓う…マゾーン帝国の兵士です」
ラテックを見つめる眼差しは敵意のない尊敬する上役を見るものに変わっている。
瑠海の心と体に繰り返し刻まれた邪悪な意志が正義の心を抑え、マゾーン帝国の従順なスレイブへと変えていた。
「クゥックックッ… 何をしておる。 殿下への報告はどうした」
「ル、ルゥッ!」
ハッと驚いた表情を浮かべ玉座のサディーストを見やった瑠海は装置から立ち上がると敬礼の姿勢で応え、スレイバーたちが口を広げて持っているレオタードと同じ黒の腕と腿の中ほどまであるグローブとブーツを装着した。



「クゥックッ… 前回までと違い、今回は自我を取り戻した状態で課せられた任務を遂行しております」
瑠海から受け取ったデータチップを手にして話をするラテック。
その少し後ろで、瑠海は頭を下げて跪いていた。
「クックッ… この装置とスレイブスーツで調整してやれば、容易に再洗脳も完了致します。 これを繰り返すことで、サイバーブルーの洗脳はより完全なものとなり、揺るぎない忠誠心を持つ帝国の兵へと生まれ変わるのです。 恐らくそれも…」
「フフッ…よかろう、いましばらく時間をやろう。  スレイバーシャドー」
「ルゥッ!」
スレイバーシャドー。
サディーストにそう呼ばれた瑠海は指先まで綺麗に伸ばした右手を高々と掲げるマゾーン帝国の敬礼の姿勢で宣誓の奇声を発し、足早にサディーストの前に移動する。
「ルゥッ! マゾーン帝国に忠誠を」
「フッ… その証を見せろ。 スレイバーシャドー、サイバーナイツの施設を破壊して見せろ」
「ルゥッ! サディースト殿下の仰せのままに…」
自信と誇りに満ち溢れる瑠海の口元に邪悪な笑みが浮かんだ。


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No title

こういうシチュのみ短編はいいですよねー。
自我を取り戻したり再洗脳されたりしながらというのも徐々に堕ちていく感じで楽しいです。
楽しませていただきました。

No title

繰り返し洗脳する事でより洗脳を強固に、
そして心を後戻り出来ない程に作り変えて行く…実に良いシチュエーションです♪
コスチュームを新しい物に変えると言うのも洗脳を上書きしてると言う感じが良く出ていてGoodです♪
果たして洗脳が完成した暁にはどのような姿になっているのか…、
想像(妄想)するだけでお腹一杯になりそうですw
GJでした♪

ありがとうございます

舞方雅人 様
ありがとうございます。
お目当てのシチュだけをチャチャっとw
短い物ばかりでスミマセン。
でもホントは、この作品…

Mizuha 様
ありがとうございます。
強い意志を持つヒロインの洗脳は容易ではないだろうなぁーとw
そして洗脳が完了したとき、その強い意志が裏目?にでて洗脳は解けにくくなる。
のではないでしょうかww
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