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また落書き



「今は堪えるしかない。 一時撤退するぞ」
先の戦いでメンバーの1人メタルピンクを失った装甲戦隊メタルギアは撤退を余儀なくされた。
「ハッハッハッ、メタルピンクを欠いたメタルギアなど、もはや我らの敵ではない。 これからは機械帝国メタリアンがこの星の支配者となるのだ!」
障害となるメタルギアを排除し、気を良くした機械帝国メタリアンは殺戮と破壊のかぎりを尽くしていた。
「ふ…ふざけないで…お前たち機械帝国に…好き勝手させるものですか…」
退却したメタルギアと入れ替わるようにして現れたメタルビークルの運転席から、体中に巻かれた包帯に血を滲ませている痛々しい姿をした女が銃口をメタリアンの怪人に向けた。
「何だオマエは。 我々メタリアンに逆らうつもりか!」
「私は…私はまだ戦えるのよ…  私は…メタル……なん…だから…」
「なんだと!!」
だが、女は持っていた銃を落とすと、そのままアスファルトの上に崩れ落ちてしまった。




「フフッ、あの爆発で生きていたとはな」
鋼鉄のベッドの上に寝かされている女を見下ろし、邪悪に微笑む機械帝国メタリアン皇帝メタリアン。
「私は…まだ…戦えます……戦わせて…ください……お願い…です…お願い…します……司令…」
左半身に負った火傷から血を流し、虚ろな瞳を彷徨わせて声を漏らす女。 メタリアン怪人の前で意識を失い倒れた女は機械帝国の要塞に運び込まれていた。
「私を…私を……外さないで……くだ…さい…」
涙を流し懇願する女は、ただうわ言のように同じ言葉を繰り返していた。
「フフッ、なるほどそう言うことか。 この程度の傷で廃棄されるとは、人間とは脆いものだな。  女、それほど戦いたいか」
「…はい……戦い…たい……私は…戦士…です……戦わせて…ください……」
「フフッ、よかろう。 お前の願い叶えてやろう」
「……あ…りが…とう……ござい……」
安堵の表情を浮かべた女の意識は途絶えた。






「ううっ…ここは……確か…私は…」
天井、床、壁、全てが電子機器の基盤のようになった部屋。 裸で金属製の台に拘束されている少女が目を覚ました。 彼女の名前は一之瀬瑠香。 3日後、2代目メタルピンクとして装甲戦隊メタルギアに配属される予定だった。
「フフッ、目覚めたか」
「! 誰ッ!! ここはどこなの!!」
寝かされている鋼鉄の台から鈍い振動が伝わり、台はゆっくりと回転しながら起き上がると、漆黒の鎧にマントを着けた人影の正面で止まった。 瑠香は一目見て、それが何者なのか理解できた。
(機械帝国…皇帝メタリアン)
「私をどうする気ですか…帰して下さい…私はただの学生です…」
「フフッ、フフッ、ただの学生とは面白い。 面白いぞ、新しいメタルピンク」
「えっ…」
(メタリアンが、私がメタルピンクだって知ってる… どうして…)
「し、知りません… 違います…」
「フフッ、呆けるな。お前が2代目メタルピンクになることは調べがついている。 そうだな、メタルレディ」
「ハッ、仰せのとおりでございます。 偉大なる皇帝メタリアン様」
カツカツと金属音を響かせ歩いてきた人影がメタリアンの足元に膝をつき答える。
「えっ、ど、どうして…あなたが…」
「ウフフッ…」
顔の左半分と体を漆黒と紫の艶のあるメタルアーマーで覆われた女が邪悪に微笑む。
瑠香は見覚えのあるその横顔に自分の目を疑った。 変わり果てた姿で機械帝国皇帝メタリアンの前に跪いている女。 機械帝国メタリアンとの戦いで重傷を負い、引退を余儀無くされた初代メタルピンク、葛城茜だった。
町を守ろうと傷ついた体で出撃した葛城茜は、メタリアン怪人の前で意識を失い、その後、機械帝国の要塞に運び込まれ、皇帝メタリアンに改造手術を施されて機械帝国の女戦士として身も心も改造されていた。
メタルレディとなった茜はメタリアンを見上げると小さく頷き、磔にされている瑠香に歩み寄るとアーマーで覆われた冷たい指で瑠香の体に触れる。
「キャッ…  ど、どうして…どうしてですか…」
「ウフフッ…」
「メタリアンを憎み、メタルピンクとして戦ってきた茜さんがメタリアンになるなんて…」
「フフッ、葛城茜は戦士として戦い続けることを望んだ」
「なによ…それ…」
「メタリアン様は素晴らしい体と永遠の命を与えて下さった。機械帝国メタリアンの戦士として、私を迎えて下さった。  でもお前たち人間は、使い物にならないと判断すると私をゴミクズのように……捨てた!」
茜は怒りと憎しみのこもった目で瑠香を睨む。
「捨てただなんて…そんなことありません! メタリアンは茜さんを利用しようとしているだけです」
「フフッ、葛城茜には体と一緒にメタリアンの女戦士としての記憶を与えてある」
「ウフフッ…私はメタリアン様に永遠の忠誠を誓う女戦士メタルレディ」
「ひどい…茜さんの記憶を作り変えたなんて……  目を醒まして下さい!! 茜さんはメタルギアの隊員です!! メタルピンクだったじゃないですか!!」
「だった…ね… フフッ…ウフフフッ……」
「あっ、違います… 茜さんは今でもアウッ…」
瑠香の頬を撫でるように茜の平手がビシッと音をたてる。
「私から全てを奪った小娘が、ふざけたこと言ってるんじゃないよ!!」
「そんな…私は…」
「私は執念深いからね。ちゃんとお礼はさせてもらうよ。 ウフフッ」
「フフッ、おしゃべりはそれくらいでいいだろう。 はじめるのだ、メタルレディ」
「ハッ! かしこまりました。メタリアン様」
「何を…私に何をするつもりですか…やめて下さい…」
「ウフフッ、怖いのかい? メタルピンクが怯えてるのかい? アハハハッ  お前を八つ裂きにして、骸をメタルギアに返してやっても構わないんだけどね…。 ウフフフッ…」
「狂ってる……ホントにメタリアンになってる…」
「ウフフッ いまからお前もメタリアン様の為に働けるように改造してあげるわ」
「えっ……いや…やめて……やめるから…メタルピンクになったりしないから…」
「ウフフフッ…」
金属製の台が元の位置に戻され、瑠香は仰向けに寝かされると肘から下と膝から下、そして胴体に金属製のカバーが被された。
「お…おねがいします……やめて下さい……助けて下さい…」
「ウフフッ…お前はこれから戦闘員、メタルジャーに生まれ変わるのよ。 と言っても、完全なメタルジャーに改造してしまったら、メタルギアに送り帰せないからねぇ…  フフッ…ウフフフッ…今から装着する特殊なメタルスーツで、お前はメタリアンの命令どおりに働く、メタルジャーモドキになるのよ」
「そんな……いや…いやいや……イヤァァァ!!」
首を左右に振り泣き叫ぶ瑠香の口元に、メタルレディが金属製のカバーが被せる。
「ウフフッ…そんなに怖がらなくても大丈夫よ。 次に目を醒ましたときには、メタルジャーモドキに生まれ変わっているから」
「いや……たすけて…たすけて…くだ…さ………」
口元に被されたカバーから噴出された麻酔ガスで瑠香は深い眠りに堕ち、それを確認したメタルレディは瑠香の体に取り付けたカバーに銀色の液体が流れる細いチューブを取り付けた。




数時間後
「グレート・メタリアン!」
皇帝メタリアンの前に、メタルレディと一緒に現れた瑠香が直立の姿勢から右手を斜め上に突き出す機械帝国メタリアンの敬礼の姿勢で声をあげる。 瑠香は袖なしのハイネックレオタードに肘までのグローブと膝までのブーツを着けたように、艶のある銀色の特殊な金属膜で覆われており、口元と目元には同じ色をしたルージュとシャドーがひかれ、銀色のコンタクトレンズ型のカメラを入れられた眼が銀色に輝いていた。
「メタリアン様、メタルピンクへのモドキパーツ装着が完了致しました。 いまやメタルピンクはメタリアンの命令に絶対服従のメタルジャーモドキに生まれ変わっております」
メタルレディが横目で合図すると瑠香は一歩前に踏み出して。
「私はメタルジャーモドキ01。 偉大なる機械帝国メタリアンの特殊工作員です」
「フフッ、新しいメタルピンクを改造し、メタリアンの刺客としてメタルギアに送り込む。 面白い作戦だな、メタルレディ」
「ハッ! ありがとうございます。  早速この者をメタルギアに…  メタルジャーモドキ01!」
「グレート・メタリアン!」
声をあげた瑠香が下腹部に描かれていた機械帝国メタリアンの紋様に触れると、眼のコンタクトがクリアになり、体を覆っている銀色の金属膜が体の表面を移動して瑠香のヘソにピアスとなって収まった。
「私の任務。 それはメタルピンク、一之瀬瑠香としてメタルギアに潜入し、偉大なる機械帝国メタリアンの敵、メタルギアを抹殺することです」
瑠香は無表情で刷り込まれた命令を復唱した。

落書き



「迎えに来ましたよ 一之瀬瑠香。いや、エンジェルダガー」
「ま、まさか……Dr.ノウ……どうして… あのときエンジェルクラッシュで倒したハズなのに…」
勤務を終え、自宅であるマンションに戻ったエンジェルダガーこと一之瀬瑠香は、部屋の中央で宙に浮かんでいる『脳』と向き合っている。 その顔は思い出したくない記憶と恐怖に歪んでいた。
「フフフ…あのときキミたちが破壊したのは飾り、躯だけです」
「そんな…」
「先日は術が不完全だったのか、途中で洗脳が解けてしまいましたが、今度は徹底的に洗脳してさしあげますよ。 二度と私を裏切らない、忠実な下僕として働けるようにね」
特務戦隊エンジェルスの隊員、一之瀬瑠香は強化戦闘服に身を包みエンジェルダガーとして、謎の組織ブレーン帝国と戦っていた。

数週間前、瑠香たち特務戦隊エンジェルスは人をブレーン帝国の雑兵ブレーンマンに変える怪人Dr.ノウと戦った。 そして戦いの最中、Dr.ノウの卑劣な罠に嵌り、捕らわれの身となった瑠香は催眠洗脳を施され、Dr.ノウに命じられるまま、エンジェルスを罠にかけ、仲間を窮地に追い込んでしまった。

「同じ過ちは繰り返さない! あなたに操られたりするものですか!!」
「フフフ…それはどうでしょうね。 すでにキミの心には、また私に操れるという恐怖… いえ、悦びで満たされている。違いますか?」
「よろこッ! ふ、ふざけないで!! エンジェルダガーになって、今すぐあなたを倒す!!!」
そう言い返すと瑠香は、両手首に装備している強化戦闘服の装着ユニットを起動させようとクロスさせる。
「おっと…冗談はこれくらいにして、そろそろ…」
ノウが瑠香に向かってゆっくりと移動を開始すると、ノウに刻まれた皺が妖しく輝き、明滅し始める。
「その輝きは! また私の自由を奪うつもりね、同じ手は通用しないわよ!!」
前回、この輝きで体の自由を奪われた瑠香は、同じ失敗を繰り返さないようクロスさせた腕を解除して輝きを見ないように腕で眼を覆う。
「フフフ…無駄なことを… 腕を下ろしなさい。 そして、私を見るのです」
「誰が見るものですか!!   エッ!? どうして!! 体が、体が勝手に… イ、イヤ…イヤァッ!」
眼を覆っている瑠香の手が体の横にだらりと下がり、輝きを見ないようにしっかりと閉じられていた眼が彼女の意に反して開かれた。
「フフッ… 一度堕ちているキミには導入プロセスは必要ありません。 一瞬でもこの輝きを見てしまえばもう…フフッフフフフ…」
「イ、イヤ…やめて………来ないで……やめ…て…」
ノウは体の自由を奪われ恐怖に顔を引き攣らせている瑠香の頭の上に止まると、先端が吸盤のようになった触手を瑠香のこめかみにそえた。
「私を倒し、催眠洗脳から逃れたと思っていたようですね。 ですが…」
こめかみにそえられた吸盤から微弱な電撃がはしり、瑠香の体がピクンと震える。
「ハウッ………やめ…アッ………アァ…」
「さて、我が忠実なる下僕 一之瀬瑠香。行きましょうか」
ノウと瑠香を繋いでいる触手に皺の輝きが流れ、瑠香の瞳が同じ輝きを宿す。
「…ハイ…かしこまりました……ご主人様…」
恍惚の笑みを浮かべた瑠香が頭の上のノウを優しく抱かかえるとゆっくりと歩き出した。
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