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Rouge et noir - 4 -



端末機の前に座る数人の戦闘員に不機嫌な顔をしたクインスがあれこれ指示を出している。
彼女たちはシルヴィー揮下の戦闘員だが、その姿は見た目には裸としか思えない姿だった。
偏光ゲル(Polarizing Gel)と呼ばれる透明なゲルで彼女たちの全身は覆われており、ゲルが光を偏光させることで
彼女たちの局部を見えなくしている。 だが、ゲルの力はそれだけではない。
闇とは無縁だった彼女たちの心を偏向させて闇の虜に変えていた。
ゲルは彼女たちの身体の上を流動し、絶えず快楽を与え続けている。
そして、戦闘時には彼女たちの陰部に浸入している偏光ゲルの制御ユニットを介して、ゲルの表面をコントロールし
硬化させて攻撃を弾くこともできれば、軟化させて衝撃を吸収することもできた。

「クィンス様、蘇生及び肉体の強化が完了致しました」
人の形に窪んだ改造台に血の気が失せた青白い身体をしたあやめが寝かされている。
「は~い 『Noir』と『Rouge』はどうなってますぅ~」
「ハッ 準備は整っています」
『Noir』Polarizing Gel ver.Noir と『Rouge』Polarizing Gel ver.Rouge
偏光ゲルの強化実験でテスト装着された女性が溶解され、その結果、透明だったゲルが漆黒と深紅に染まった強化型偏光ゲル。
失敗が続き、実用は困難と判断された強化型偏光ゲルの開発は中止されていたのだが…

「シルヴィーさまぁ、こいつ…いや、あやめはどっちの色がいいですかぁ~」
珍しく改造に立ち会っているシルヴィーに微笑みながら尋ねるクィンス。
「本当に大丈夫なのか これの開発中止を判断したのはクィンス、お前のはずだが」
クィンスの考えを見透かしたようにシルヴィーが冷たく見やる。
「そ、そ、そうなんでけどぉ、わかっちゃったんですぅ。あれは素体が不良品だったんですよぉ~
 こいつ…いや、あやめの精神力なら問題ないですぅ~」
「精神力……  ならば、色はクィンスに任せる」
「は~い それじゃあ、こいつは腹黒いから『Noir』の注入始めちゃってくだっさぁ~い」
クィンスの命令であやめが寝かされている窪みに黒い偏光ゲルが注ぎ込まれる。
(愛しいシルヴィー様をお前なんかに渡すものですかぁ、これでお前も綺麗に溶……け…………あれれれれぇ)
クィンスの期待を裏切り、窪みに満たされた黒いゲルが徐々に人の形を形成し、程なくして窪みには一体の黒い人が横たわっていた。
(と、と、と、溶けてない……成功してしまったようですぅ…)
クィンスが愕然とした表情で『Noir』に包み込まれたあやめを見ていると
「クィンス様 『Noir』と素体の融合、完了致しました」
「そ、そ、そんなこと、言われなくて見れば解りますぅ!!」
報告してきた戦闘員をクィンスは恐ろしい形相で睨みつけた。


膨れっ面のクィンスがシルヴィーを睨んでいる。
「不服か?」
更に膨れっ面になりシルヴィーを睨むクィンス。
「だってぇ~ シルヴィー様には、わたしが就いてるじゃないですかぁ~
 それにこの女、シルヴィー様が仰るほどの素体には見えませんでしたよぉ」
「もし役に立たないようならば、そのときは副官であるクィンス、お前の好きにすればいい」
シルヴィーとクィンスが話をしていると、処置台の上でケーブルや装置に繋がれたあやめがゆっくりと目を開いた。
真っ黒だった体は顔の一部と右腕全て、胸と局部だけが漆黒に染まり、それ以外は黒の半透明で青白い肌の上で鈍く虹色に輝いていた。
そして、彼女の左腕に施されたタトゥー。 それはあやめが『S.S.B』の一員となった証だった。
「わたし…生きてる……シルヴィーさんに戦いを挑んで…わたしは…」
「そうだ『榊山あやめ』は私が殺した」
「シ、シルヴィー…さん… でも、わたしは」
「お前は生まれ変わったのだ、我が剣『ノワール』としてな」
「…生まれ…変った……わたしが…シルヴィーさんの剣…『ノワール』…でも…わたしは…エッ…」
あやめの体を覆っている『Noir』の局部から頭に向かって虹色に輝く黒い波が走り、波が頭に到達するたびに体はピクリと震えた。
「どうした、私の部下では不満なのか それとも『S.S.B』の一員であることが不満なのか」
「い…いえ、身に余る光栄です。 わたしなどが『S.S.B』に…夢のようです」
「これからは『S.S.B』の為に働いてもらうぞ」
「はい、喜んで シルヴィーさ…   シルヴィー様」
ベッドに横になったままシルヴィーを見上げて嬉しそうに微笑むあやめ。
どこか冷たい感じがする、これまでとは異なる微笑み。
その微笑みこそが、あやめの意識に送り込まれた【『S.S.B』に選ばれること、それは力を認められた者の証】という情報で
『力』を望むあやめの心が、シルヴィーに対する強い憧れが、ゆるぎない忠誠心に変わり始めた表れだった。
「偏光ゲルの調整に少し時間がかかる。もうしばらく休んでいろ」
「はい シルヴィー様」
そう答えるとあやめはゆっくりと瞼を閉じる。
「クィンス、後は任せる」
「うっ…うぅぅ…… ふぁ~い」(この女…どうして溶けちゃわなかったのよぉ~)
膨れっ面であやめを睨みながらクィンスは返事を返した。



「シルヴィーさまぁ この二人『X-fix』の隊員にしてはレベル低いですよぉ
 改造するだけムダムダだと思いますぅ。ぱぱっと洗脳しちゃって送り返しちゃいますね」
「任せる」
あやめの偏光ゲルの調整を終わらせたクィンスは一緒にさらってきた2人の『X-fix』隊員の
能力分析を行い、冷静に判断を下すとシルヴィーに彼女たちの処遇を進言した。
隊員の1人は怯えた表情で震え、もう1人は健気にもシルヴィーを睨めつけている。
「榊山さん、榊山さんは無事ですか」
シルヴィーを睨みつけていた隊員があやめの安否を気遣う。
「どっちが護衛だったのか、榊山あやめはお前たちを助けようと私に挑んできた」
「榊山さんが…私たちの為に…… ごめんなさい…榊山さん…」
シルヴィーに戦いを挑んで生きているはずがない、そう思い込んだ隊員は涙を流し俯く。
「謝らないで 『X-fix』の隊員さん」
「…へっ?」
タイミングよく部屋に入ってきた人影がヒタヒタと『X-fix』隊員に歩み寄る。
「わたしはあなたたちに感謝していますよ」
「か、感謝して… えっ? あ、あなた…榊山…さん」
目の前に立っている戦闘員とよく似た姿の人影、その顔を見た隊員の顔が引き攣る。
「そう、確かにわたしは『榊山あやめ』だった」
「どうして…榊山さん…私たちを助けるために…シルヴィーと…」
「あなた、わたしが死んだと思ったでしょう」
「そ、そんなこと…  それより榊山さん、その体…まさか…」
「綺麗な身体でしょう。シルヴィー様に頂いたのよ」
「シルヴィーと戦った榊山さんが……どうして『S.S.B』なんかに…」
「『『S.S.B』なんかに』って…」
隊員の言葉に反応したあやめの眼に冷たい残忍な輝きが宿る。
「あなたたちを助ける為に、わたしは命を懸けてシルヴィー様に戦いを挑んだわ。
 それが当然のことと思っていたから… でも、いま思えば愚かなことよね」
「ごめんなさい… わたしたちが」
「どうして謝るの? わたしはあなたたちに感謝しているのよ」
「どうして…」
「わたしの間違った考え方をあなたたちが正してくれた。頼りないあなたたちが捕まってくれなかったら
 わたしはずっと『S.S.B』を拒み続けていたと思うの。だから本当に感謝しているのよ」
そう語るあやめの顔から笑顔は消えていた。
「さ、榊山さん…『S.S.B』に洗…えっ?」
言葉が終わる前に『X-fix』隊員の胸に黒い影が伸びた。
「今のわたしは『榊山あやめ』じゃない。シルヴィー様の黒き剣『ノワール』よ」
隊員は自分の胸に伸びた黒い影を呆然と見つめる。
「えっ…ど…どうして…」
「こんな事しか出来ないけど…お礼よ。 あっ、伝わってくる…あなたの鼓動…トクン、トクンって」
冷たい蛇のような眼で隊員を見つめて微笑むあやめ。
「…わたし…わたし…死ぬ…の…」
「どうかしらね でも、あまり役に立ちそうにないから、それでもいいと思うけど」
あやめは突き刺した黒い手をゆっくりと隊員の身体から引き抜く。
「や…やめて…榊山さん わたしたちはあなたの敵じゃない…あなたを守ることが私たちの…」
「敵じゃない? 弱いあなたたちがわたしを守る?  ク…ククク…アハハハ」
あやめの足元に崩れ落ちた隊員の息はこと切れ、床に出来た赤い溜まりに伏せている。
指先から赤い雫の滴る右腕を、あやめはもう1人の女性隊員の胸元に向けた。
「わたしはシルヴィー様の剣ノワール。『X-fix』は倒すべき敵なのよ」
あやめの右腕は黒い刃となり、隊員の胸を難なく貫いた。

2人の女性隊員を殺め、悦に浸っているあやめにクィンスが吼える。
「ノォワァールゥゥゥゥ!! あんた何してくれちゃてるのよぉ!!」
「ゲルの反応はいいようだな ノワール」
あやめの行動を咎めようとしたクィンスをシルヴィーの言葉が制止した。
「エッ、エェッ!! シ、シ、シルヴィー様、コイツはいま!」
「はい、シルヴィー様 私の思い通りに動く素晴らしい身体です」
片膝をついて服従の姿勢を見せるあやめにシルヴィーは小さく頷き微笑んだ。
「これからの働き期待している」
「ナッ! ど、ど、ど、どうし…… ハァ~
 そこのあなた達、この2人を処置室に運んで蘇生の準備してなさいよぉ!! まったく、こんなにしちゃって!!」
あやめのとった行動をシルヴィーが認めて咎めないのであれば、自分が何を言っても無駄と判断しクィンスは
壊れた人形のように床に重なり合っている『X-fix』隊員を運ぶように戦闘員たちに指示した。


身も心も捧げる者 -4-



「グフフフ いまはこのメスが邪竜のメスになることを望むように準備していると言う訳か」
「はい、人間のメスが邪竜のメスになることを望まなければ『拒絶反応』でメスは命を失います」
「グフフフ なにかと面倒な奴らだな」
ギールが裕未の顔を覗き込み、彼女の反応を確認するとほくそ笑んだ。
「ん…んん…もっと…ゾクゾクさせて……もっとキモチよく…なりたいの…」
「クックックッ そろそろいい頃合のようです。邪竜王様」
「グフッ グフフフ まずはこのメスを手懐けるだったな」
「はい、邪竜王様」
ギールは裕未の耳元に顔を近づけると言い聞かせるように話をはじめた。
「私の声が聞こえていますね。あなたの名前はユミ、そうですね」
「もっと…もっとキモチよく………え…ええ……わたしは紫苑…裕未よ…」
「では、あなたは何者ですか、ユミ」
「…わたし?…わたしは……ドラゴン…レッド……邪竜帝国と……ヒャィッ…はふぅぅ……いい…いいの…もっと…」
裕未が途切れた言葉を並べているとギールは荒々しく彼女の胸を鷲づかみにして激しく揉みほぐした。
「そうですか、あなたはキモチのいいことを望んでいるのですか。
 だったら、いま話そうとした言葉は二度と口にしてはいけません。いえ、全て忘れなさい」
ギールの手は裕未の胸から下腹部、陰部へと移動する。
「はひぃぃ…そこ…きもちいひ……はひ…すべて…すべて……わす…」
ギールの言葉をおうむ返ししかけた裕未は途中で言葉を止めて眉間にシワを寄せた。
「…い…いや…わすれなひぃぃぃ……あひ…あひ……もっと…つよく……もっとぉ」
ギールはクロッチのイボのあったあたりを強く押し込んでいた。
「ユミ、全てを忘れなさい。そうすれば、あなたがして欲しいこと、望むことをして上げます」
自分の言葉に裕未がピクンと体を振るわせたことを確認したギールは、裕未に見えるように爆弾を起爆させるカメの甲羅を取り出した。
「そ…それは…」
裕未は甲羅に手を伸ばし掴もうとしたがギールはそれを許さなかった。
「ユミ、全てを忘れなさい。そうすれば、これを押して人間たちの泣き叫ぶ悲鳴を聞かせてあげますよ。
 あなたが望むゾクゾクする快感を得ることができますよ」
「あ…あぁ………泣き叫ぶ声…人の悲鳴が聞きたい……ゾクゾク…したい…」
「ユミ、これが最後のチャンスです。 全てを忘れなさい」
「これが…最…後…」
「そうです。これが最後です。全てを忘れなければ、これは!」
ギールが甲羅を握りつぶそうとすると、裕未は甲羅を見つめていた虚ろな瞳をオロオロさせてギールを見やった。
「す…全て…全てを忘れます………だから…悲鳴を……人々が泣き叫ぶ声を…聞かせて…下さい…」
皮に仕込まれていた催眠誘導効果がある薬と昂められた快楽で、裕未はギールの言葉を従順に受け入れ始めた。
「クックックッ…いいでしょう。では、あなたは何者ですか?」
「はい…わたしは…わたしは…」
裕未はしばらく瞳を彷徨わせてから
「…わたしは………すみません…わかりません……わからないです…」
「それでいいのですよ。では、あなたが何者なのか、わたしが教えてあげましょう」
「はい…お願いします……教えて…下さい…」
鋭い眼光は失せ欲情に潤む瞳でギールの冷たい眼をみつめる裕未。
「あなたはユミーザ 邪竜帝国に身も心も捧げる邪剣士ユミーザです」
「…わたし…わたしはユミーザ…邪剣士…ユミーザ……邪竜帝国に身も心も捧げる…」
ギールは満足気に頷くと同じ質問を繰り返し、裕未に何度も同じ答えを答えさせた。
「あなたは何者ですか?」
「…はい…わたしは邪剣士…邪竜帝国に身も心も捧げる邪剣士ユミーザです」
「そうです。いまわたしが教えた事は、何があっても忘れてはいけません」
「はい わたしは邪剣士ユミーザ、邪竜帝国に身も心も捧げる邪剣士ユミーザです」
「クックックッ…いいでしょう。ユミーザ、これを押して人間どもの泣き叫ぶ声を心行くまで楽しみなさい」
「はい……ありがとう…ございます…」
返事をしながら裕未は淫猥な笑みを浮かべ、目の前に出された甲羅に手を伸ばし迷わずその一つを押した。
「はうぅぅぅぅぅぅぅ…」
自分の指が生み出した逃げ惑う人々の悲痛な叫びと悲鳴を聞いた裕未はビクビクと全身を痙攣させながら意識を失った。
「グフフフ 気をやったか… グフ、グフフフ…いま思えば、あれもいいメスだったな ギールよ」
玉座に戻った邪竜王が含みのある物言いでギールを見やる。
「クックックッ かしこまりました邪竜王様。この邪剣士ユミーザに奪還させましょう」
「グフフフ お前に任せる」
「はい、邪竜王様 では、ユミーザの仕込みに入りますので失礼致します」
ギールはまだ体を痙攣させている裕未を抱き上げると玉座の間をあとにした。

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孫作 ( magosaku )

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