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身も心も捧げる者 -4-



「グフフフ いまはこのメスが邪竜のメスになることを望むように準備していると言う訳か」
「はい、人間のメスが邪竜のメスになることを望まなければ『拒絶反応』でメスは命を失います」
「グフフフ なにかと面倒な奴らだな」
ギールが裕未の顔を覗き込み、彼女の反応を確認するとほくそ笑んだ。
「ん…んん…もっと…ゾクゾクさせて……もっとキモチよく…なりたいの…」
「クックックッ そろそろいい頃合のようです。邪竜王様」
「グフッ グフフフ まずはこのメスを手懐けるだったな」
「はい、邪竜王様」
ギールは裕未の耳元に顔を近づけると言い聞かせるように話をはじめた。
「私の声が聞こえていますね。あなたの名前はユミ、そうですね」
「もっと…もっとキモチよく………え…ええ……わたしは紫苑…裕未よ…」
「では、あなたは何者ですか、ユミ」
「…わたし?…わたしは……ドラゴン…レッド……邪竜帝国と……ヒャィッ…はふぅぅ……いい…いいの…もっと…」
裕未が途切れた言葉を並べているとギールは荒々しく彼女の胸を鷲づかみにして激しく揉みほぐした。
「そうですか、あなたはキモチのいいことを望んでいるのですか。
 だったら、いま話そうとした言葉は二度と口にしてはいけません。いえ、全て忘れなさい」
ギールの手は裕未の胸から下腹部、陰部へと移動する。
「はひぃぃ…そこ…きもちいひ……はひ…すべて…すべて……わす…」
ギールの言葉をおうむ返ししかけた裕未は途中で言葉を止めて眉間にシワを寄せた。
「…い…いや…わすれなひぃぃぃ……あひ…あひ……もっと…つよく……もっとぉ」
ギールはクロッチのイボのあったあたりを強く押し込んでいた。
「ユミ、全てを忘れなさい。そうすれば、あなたがして欲しいこと、望むことをして上げます」
自分の言葉に裕未がピクンと体を振るわせたことを確認したギールは、裕未に見えるように爆弾を起爆させるカメの甲羅を取り出した。
「そ…それは…」
裕未は甲羅に手を伸ばし掴もうとしたがギールはそれを許さなかった。
「ユミ、全てを忘れなさい。そうすれば、これを押して人間たちの泣き叫ぶ悲鳴を聞かせてあげますよ。
 あなたが望むゾクゾクする快感を得ることができますよ」
「あ…あぁ………泣き叫ぶ声…人の悲鳴が聞きたい……ゾクゾク…したい…」
「ユミ、これが最後のチャンスです。 全てを忘れなさい」
「これが…最…後…」
「そうです。これが最後です。全てを忘れなければ、これは!」
ギールが甲羅を握りつぶそうとすると、裕未は甲羅を見つめていた虚ろな瞳をオロオロさせてギールを見やった。
「す…全て…全てを忘れます………だから…悲鳴を……人々が泣き叫ぶ声を…聞かせて…下さい…」
皮に仕込まれていた催眠誘導効果がある薬と昂められた快楽で、裕未はギールの言葉を従順に受け入れ始めた。
「クックックッ…いいでしょう。では、あなたは何者ですか?」
「はい…わたしは…わたしは…」
裕未はしばらく瞳を彷徨わせてから
「…わたしは………すみません…わかりません……わからないです…」
「それでいいのですよ。では、あなたが何者なのか、わたしが教えてあげましょう」
「はい…お願いします……教えて…下さい…」
鋭い眼光は失せ欲情に潤む瞳でギールの冷たい眼をみつめる裕未。
「あなたはユミーザ 邪竜帝国に身も心も捧げる邪剣士ユミーザです」
「…わたし…わたしはユミーザ…邪剣士…ユミーザ……邪竜帝国に身も心も捧げる…」
ギールは満足気に頷くと同じ質問を繰り返し、裕未に何度も同じ答えを答えさせた。
「あなたは何者ですか?」
「…はい…わたしは邪剣士…邪竜帝国に身も心も捧げる邪剣士ユミーザです」
「そうです。いまわたしが教えた事は、何があっても忘れてはいけません」
「はい わたしは邪剣士ユミーザ、邪竜帝国に身も心も捧げる邪剣士ユミーザです」
「クックックッ…いいでしょう。ユミーザ、これを押して人間どもの泣き叫ぶ声を心行くまで楽しみなさい」
「はい……ありがとう…ございます…」
返事をしながら裕未は淫猥な笑みを浮かべ、目の前に出された甲羅に手を伸ばし迷わずその一つを押した。
「はうぅぅぅぅぅぅぅ…」
自分の指が生み出した逃げ惑う人々の悲痛な叫びと悲鳴を聞いた裕未はビクビクと全身を痙攣させながら意識を失った。
「グフフフ 気をやったか… グフ、グフフフ…いま思えば、あれもいいメスだったな ギールよ」
玉座に戻った邪竜王が含みのある物言いでギールを見やる。
「クックックッ かしこまりました邪竜王様。この邪剣士ユミーザに奪還させましょう」
「グフフフ お前に任せる」
「はい、邪竜王様 では、ユミーザの仕込みに入りますので失礼致します」
ギールはまだ体を痙攣させている裕未を抱き上げると玉座の間をあとにした。

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